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Vol.51 2012年 夏号
 
「新こども病院に対する私たちの見解」ダウンロード
 
「アメリカ 行政視察 報告書」ダウンロード
 
私たち民主・市民クラブは、昨年春の市議選において初めて統一的な「ローカルマニフェスト」を掲げて選挙戦に臨みました。このローカルマニフェストは「地域主権」「生活保障」「成長」の3つの分野で、福岡市政が未来にわたって前進していくために必要な49項目の政策提言から成り立っています。
 
私たちは所属議員による議会質問や委員会での質疑などあらゆる場面を捉えて、これらの政策提言が実施に移されるよう当局との交渉を続けてきました。
 
これからの夏のシーズンは市役所内で来年度の予算のアウトラインが形作られる時期にあたります。この機会に私たちはローカルマニフェストの進捗状況を整理し、この秋に提出する来年度予算に向けた会派の予算要望をきっかけに、更に多くの私たちの政策提言が実を結ぶよう取り組みを強めていきたいと思っています。
 
今回は全49項目のうち主だった10項目について、進捗状況をご報告します。
 東日本大震災による震災廃棄物広域処理に関する福岡市の取り組みについて質問しました。
 質問でははじめに、宮城県が今年5月に環境大臣に提出した災害廃棄物の処理に関する要望で、「今後114万トンについて広域処理が必要な見込みとなっている」として「特段の配慮」を求めたことなど、依然として広域処理が被災地の強い希望である事実を紹介。
 また、4月に行なった宮城県石巻市の視察においても大量の災害廃棄物が野積みにされていたことを踏まえ、「広域処理の必要性を痛感した」と述べました。その上で太田議員は、5月の福岡市臨時議会で広域処理について「福岡市が最大限の貢献をすること」などを求める決議がなされたにも関わらず、当局が北九州市の試験焼却段階での説明会に職員を派遣していないことなどを挙げ、「研究・検討する姿勢が全く見られず、議会軽視である」と厳しく指摘。
 広域処理に向けた今後の取り組みを重ねて高島市長に問いましたが、市長は「仙台市では既に震災廃棄物の処理に目処が立っており、今後は被災地域内での処理が進む」などと、被災地の現状とは相反する答弁に終始しました。
 


6月20日
[一般質問]
太田 英二
(城南区)

震災廃棄物の広域処理に貢献を
 住民が気軽にスポーツを楽しめる場としての『学校体育施設(校庭・体育館)』の利便性の向上、各小学校区で活躍される『スポーツ推進委員』の方々が活動しやすい環境整備、区・校区レベルで地域スポーツ活性化に向けて取り組んでいる『体育振興会』に対する支援の充実を要望しました。
 これらの質問・要望に対してスポーツ行政を所管する市民局長は、「地域スポーツの振興は、コミュニティの維持・発展に大きく寄与する。今後は、学校体育施設の利用手続きを簡素化するとともに、地域住民や公民館サークルが気軽に利用できる運動スペースとして広報していく。地域スポーツの発展に尽力されているスポーツ推進委員、体育振興会への支援も充実させていきたい」と、極めて前向きな答弁を行ないました。
 


6月21日
[一般質問]
田中しんすけ
(中央区)

住民に身近な地域スポーツの
振興に向けた施策展開を!
 
この度、民主・市民クラブ所属の4議員が実施した海外視察(本年1月29日~2月5日、イギリス・スペインの2ヶ国)について、帰国後に提出した視察報告書に、出典を明らかにせずに書籍などの情報を引用した箇所があったことがメディアからの指摘で分かりました。
 
報告書の作成にあたっては、報告内容に学術的な裏付けを得るとともに正確に万全を期す目的で、全部で11の書籍や論文等を引用しましたが、不注意により数箇所の脚注が漏れていたもので、指摘については重く受け止めています。
 
事後の対応としては著者の方に対して謝罪した上で、引用箇所の全てについて脚注を付した修正報告書を提出させて頂きました。
 
また、4月に6議員が行なった国内視察についても、党主催の勉強会が日程に組み込まれていた件が不適切だとの指摘を受け、自主的に航空運賃などを一部返還しました。
 
一連の報道により市民の皆さまの信頼を損なったことについては深くお詫び申し上げます。所属議員一同、今後なお一層の注意をもって職務の公正を期して参ります。
 
 
◎・・・会派と当局の方向性が一致しており、施策も前進した
○・・・会派と当局の方向性が一致しているが、要望項目の進展には至らず
△・・・会派と当局の方向性は一致しないが、何らかの進展があった
×・・・会派と当局の方向性は一致せず、前進も見られない
議会改革 ( 評価…△ )
  1. 「通年議会」や「議会報告会の開催」などの議会改革を進展させるための要望書を議長宛に提出しました。
  2.  
住民自治支援条例 ( 評価…◎ )
  1. 住民自治に関する基本条例の制定に向けて、各種調査や検討が始まりました。
 
官民の役割分担 ( 評価…○ )
  1. これまでの民間活用の実績に関する評価・検証手法についての検討が始まりました。また、NPO団体の活動支援も強化されました。
地域主権戦略

生活保障戦略
小児2次医療 ( 評価…◎ )
  1. 小児医療情報ネットワークの活用も含め、こども病院移転後の福岡市西部地区における医療体制を強化する方針が示されました。
 
元気高齢者支援金 ( 評価…△ )
  1. 市民の健康づくり活動に対してインセンティブを与えるような施策の検討が始まりました。
  2.  
買い物難民対策 ( 評価…○ )
  1. 御用聞きや出前市場など、商店街や団体が実践している独自の活動を市全体で共有する施策に弾みがつきました。
 
災害時要援護者の支援 【追加項目】( 評価…○ )
  1. 要援護者に関する地域での情報共有や、一人ひとりの避難支援個別計画の策定に向けた動きが加速しました。
成長戦略
セントラルパーク構想 ( 鴻臚館の復元 )( 評価…◎ )
  1. 鴻臚館の早期整備実現に向けて基本構想の策定が前倒しされました。
 
若年者新規雇用拡大助成金 ( 評価…△ )
  1. 国が実施する同様の制度の周知、地場企業とのマッチングの強化が実現しました。
 
元気高齢者支援金 ( 評価…△ )
  1. 市民の健康づくり活動に対してインセンティブを与えるような施策の検討が始まりました。
  2.  
市民参加型フルマラソンの早実現
 【追加項目】 ( 評価…◎ )
  1. 本格実施に向けた基本調査や、関係機関(県・警察・主催者)との協議が始まりました。
民主・市民クラブでは、先述の「ローカルマニフェスト」の実現に向けてどのように活動しているのかなどを市民の皆さまにお知らせする機会として、議会活動報告会を企画しました。
 
報告会ではローカルマニフェストの進捗状況のほか、今年度予算に会派要望がどのように生かされているのかなどについて、所属議員からご説明させて頂きます。
 
また、今後の会派の活動や市政運営へのご意見等についても、質疑応答を予定しております。ご家族、ご近所でお誘いあわせの上、是非ともご参加下さい!
 
3.11の津波被害は、多くの尊い人命を奪い、人々の心に忘れ得ぬ深い悲しみの傷跡を残しました。そして何よりも皮肉なことに、被災地の人々が懸命に築き上げてきた故郷の街並み、何世代にも渡る営みの成果が、いま大量の震災廃棄物(環境省の今年5月の推計では、宮城・岩手両県で1680万トン)に姿を変え、復興を阻む「壁」になっていることがメディアによって報じられています。現状を確かめるため、民主・市民クラブ所属の5議員は、4月17日・18日にかけて宮城県石巻市を視察しました。
 
市内を一望する高台から見た光景は、震災直後に繰り返し報道されたものと何も変わらない、広大な更地、そして更地…。海岸近くには至るところに防波堤のような黒い塊があり、視察団はそのとき初めてそれぞれの目で、山をなす震災廃棄物の現状を確認しました。
 
「ここからはマスクを着けて下さい」。市街地から海岸に向けた移動中、石巻市の職員に促されましたが、その理由はすぐに分かりました。震災廃棄物の山はたとえようもない臭気を周囲に放っています。あちこちに突き刺さったパイプからはガスが噴き出しており、こうして震災廃棄物の中に溜まったガスを抜かなければ、温度が上がって自然発火してしまうのだという説明を受けました。
 
 
石巻市内で発生した震災廃棄物は推計638万トン。このうち可燃物は147万トンで、現在までに仮置き場に運び込まれ、積み上げられたものは、ようやく半分程度だといいます。震災直前まで分譲が進んでいた埋立地は、3.11直後から震災廃棄物の集積・処理の拠点となったため、分譲計画が完全にストップしていました。現在、ここでは1日の処理量が300トンという焼却施設5機の建設が進んでいます。仮に今後5機が毎日フル稼働し、日量1500トンで処理が進んだとしても、全量を地元で処理するのには3年近くかかります。しかも、こうした見通しはあくまで震災廃棄物の推定量を基にした試算に過ぎません。
 
「実際はいつまでかかるか分からないんです…」。石巻市職員のつぶやきが、復興を阻む「壁」との闘いの厳しい現実を物語っていました。コンクリート、鉄筋など雑多ながれきを満載したトラックがひっきりなしに往来しています。こうした不燃物の処理については全く見通しが立っておらず、ただ日を追うごとに積み上がっていきます。「福岡市が何とか力になれないのか…」。視察団の誰もが忸怩(じくじ)たる思いで唇を咬みながら、石巻市を後にしました。