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 ● こどもの命と健康を守るための新病院の決断
(2)患者さんや開業医の先生方のご心配を踏まえた移転場所の決定
 しかしながら、現在こども病院にかかられている患者やその家族の方々の不便さやご心配は理解できます。市内中心部の開業医の先生方のこども病院に対する小児地域(2次)医療機関としての信頼は大切にすべきだと思います。そこで、わたしたちは現実的な選択肢として移転場所の候補地を現在地に近い市内中心部を含め具体的に検討、検証してきました。〈 表、図3
 
 現地建て替え(中央区唐人町)〈 図7
 現在地は、敷地の形状が不整形なうえ面積が16,794平方メートルしかありません。現状でも手狭な上、医療行為を継続しながらの建て替えは長期にわたり患者や医療関係者に苦痛や不便を強いるだけでなく、完成後も敷地の活用やレイアウトに制約が生じ、医療機能の水準の維持に強い懸念があります。また、現地での建て替えがローリング方式を採用するため更地での建設より工事費が増加することは間違いありません。その増加額の試算の過程で行政の行為に対し不必要な疑念を抱かれている点は残念ですが、それだけが決定的要素ではありません。なによりも、現行のこども病院の機能を維持し、周産期医療などの最新の市民の医療ニーズに応えるための機能強化には、現地の建て替えは困難だと判断しました。
 
 九大六本松キャンパス跡地(中央区六本松) 〈 図4 中段〉
 地下鉄等交通のアクセスからすると、九大の六本松跡地が一見魅力的ですが、患者の搬送や医療関係車の出入りの点からすると駐車場の敷地の確保や周辺道路とのアクセス、渋滞の状況がより重要です。当該敷地は、九大の大学移転との関連で、奥の南側約半分は裁判所への用途利用が決定しています。地下鉄に接面する北側部分は、地価が高く(40万円/平方メートル)、新病院構想の規模を前提にすると土地購入費だけで120億円の購入費が必要で新病院の後年度負担に重くのしかかり健全な病院経営がなりたつ限度を超えています。また、市民が広く集う施設を望む地元住民の方々との街づくりのコンセプトからの長期にわたる調整と時間が必要になります。
 
 当仁中学校跡地(城南区鳥飼) 〈 図4 上段〉
 敷地が三角形の不整形で面積が18,800平方メートルしかなく、有効利用面積が劣るので駐車場やファミリーハウス(患者家族の宿泊施設)などの整備が困難です。アクセスは道路が狭隘で、周辺交通はラッシュ時に慢性的に渋滞が発生します。更に、地元住民との協議についても調整と時間が必要になります。
 
 以上のような検討の結果からは、たとえ地元住民と協議が整い市内中心部でこども病院を建て替えしようとしても、小児地域(2次)医療や小児高度(3次)医療としての機能を維持し充実するためには大きな課題があり、適地としては困難であると判断しました。
 
 そこで、わたしたちは、比較的土地単価が安く(購入価格127千円/平方メートル)、ゆったりした敷地を確保でき良好な医療現場や療養環境の形成の可能なアイランドシティがこども病院の基本的役割を維持し充実発展させるための適地であると判断しました。これは、先入観なしに全市的観点から今後30年間の全市のこどもの命と健康を守る視点から判断したものです。
 
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